東シナ海の風と沖縄の太陽を満喫した糸芭蕉。芭蕉布は、畑で栽培した糸芭蕉の木から丁寧に繊維を採りだします。

 植えつけから三年、糸芭蕉が大きく育ち、わたしたちの身長をはるかにしのぐようになると、ようやく繊維の材料として利用できます。その間何度かの暴風雨にも耐え、どっしりと大地に根を張った糸芭蕉だからこそ、上質の繊維が採れるのです。

 着尺一反を織るためには、糸芭蕉の木を約二百本切り倒します。それから布になるまで、大きく分けても二十余りの工程があり、およそ半年かけて、一反の着尺が織りあがります。

 さらっとした手触り、生成りの自然な色合い。おんなたちが想いをこめて織り継いできた芭蕉布は、沖縄を代表する伝統工芸の一つです。

 昔から引き継がれてきた伝統的な製法にこだわり、糸芭蕉の植えつけから布製品として仕上がるまで、すべての工程を手作業でおこなっています。時間は掛かりますが、丁寧にかかわっていきたいと思います。

 

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